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工業デザインの練習帳

1988年生まれの工業デザイナー秋山慶太のブログです。

タダCAD その3

タダでCAD造形をアウトプットする方法、その3です。その1その2はこちら。

前回、Sketchupを使ってお椀型をひらきにしたので、今回は紙に印刷し、折って形を組み立てます。



1 展開図を整える

まず、Sketchupからエクスポートしたstlファイルを、印刷に適したaiデータにするために再度Rhinocerosに取り込みます。




ひらきにしたデータは、座標平面に対してランダムな角度になってしまうことが多いので、これを整える必要があります。




「変形」→「回転」ツールを選択し、展開図を座標平面に沿うように調節してゆきます。(本当はフリーハンドなやり方じゃなくて、もっと便利なコマンドがあるはず・・・)
上面から見たときに、展開図の正面が表示されるようになったら、「ファイル」→「Export」を選択。書き出すファイルの種類を.aiにし、エクスポートします。これでCADソフトでの行程は終了!疲れた!



2 縮尺の調節と印刷用ファイルの作成

書き出したaiファイルを、Illustratorに読み込みます。
このソフトは有料ですが、使い慣れているのでここではこれで修正を行います。もしかしたらInkscapeGIMPなんかで代替できるかもしれません。チャレンジャーの方はこちらでどうぞ。



ちょっと画面が小さくて分かりづらいですが、上が何も加工をしていない展開図、下がそれを省スペースにまとめたものです。紙に印刷するときに、できるだけ無駄がないように工夫しています。




整えた展開図を、プリント用に作った枠の中に配置します。
8つのセクションがあるのが分かるでしょうか。一つがA4の大きさです。
黒い枠を、さらに16分割するように赤い枠が配置されていますが、これ重要です。

僕の家にはA4のプリンタしかないため、この大きなファイルをそのまま印刷することはできません。そのため、A4サイズに分割して印刷することになるのですが、赤いラインは再度つなぎ合わせる際の基準線になります。A4フルサイズよりも若干小さく設定するのがポイント。



3 印刷→紙に貼る

印刷し、不要な部分を切り落とすとこのようになります。
これをスプレーのりを使って、ボール紙に貼付けてゆきます。







3 カット

貼付けたものがこちら。後は切るだけです。
しかしここからが長い!!




前回の記事で、この図形は378の三角からできていると書きましたが、それはつまりカッターのストロークが1000回は必要だということです。輪郭部分は切り落とし、稜線をひたすらハーフカットします。
コンピュータ上の作業もいろいろありましたが、紙に印刷してからの作業量の方が多いです。デジタルっぽい手法でポリゴンチックな形を作っているのに、カッターを握る手がだんだん痛くなってくるとちょっと笑えます。





必要なパーツをすべて切り終わった状態。やれやれ。



4 組み立て

今度は組み立てですが、今回は手早く済ませるために仮止めで終わらせています。





面同士を貼り合わせて、完成!!!

元々のお椀型をある程度再現していますが、かなりよれよれしています。あんまり信用できない雰囲気。こうなってしまった原因は、おそらく

①面の数が多く形が複雑だったため組み立てに求められる精度がシビアだった
②お椀型の構造としての強度が低かったため、ピシッと固定されなかった(滑らかな面を再現するよりも、鋭角な形の方が向いていそう)
③加工の精度が足りなかった

の3つ。
思いついたときは、なんでもこの方法できちゃうんじゃないのと思いましたが、実際はそうでもないです。でも、勉強になりましたし、面白い造形方法であることは確かです。逆によれよれしたポリゴン風のフォルムなんて面白いかもね!



5 おまけ


ユニバーサルな出力方法としては使えそうになかったのですが、この造形方法でしかできないような形を作ってみました。




この幾何学的な形は、もともとのデータをTopmodという無料ソフトで作っています。(Topmodの解説はこちら
曲面を擬似的に再現するのも面白いですが、平面の集合でできている、通常の方法では作れない形をリアライズするという方が、この手法に合っているのかもしれません。