読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

工業デザインの練習帳

1988年生まれの工業デザイナー秋山慶太のブログです。

成長する形と加工される形

生き物のかたちは、染色体の指示のもと、細胞が分裂することによって生まれます。
反対に、人が作るものの形は、何らかの材料を変形させ、加工することで作られます。
それぞれの目的に応じて、生物も、道具もそれぞれ長い年月の中で洗練され、様々なフォルムが生まれました。




Katie Scott


ブルーノ・ムナーリ 「ファンタジア」より


CGが発達したことによって、生物の形をシミュレートするようなフォルムやグラフィックをよく見かけるようになりました。プログラムによって生まれ、ディスプレイに投影されるフォルムは、確かに生々しい。しかし、それらをリアルの空間にアウトプットする方法は、現時点ではきわめてデジタルな方法で成形する3Dプリンタぐらいしかない。
コンピュータの中では、確かにかたちが「生成」されていますが、現実世界においては、その形は「出力」されたもの。当たり前ながら、成長することもできない。生々しさを実現するためには、プログラムよりも、むしろアウトプットの方法をデザインすべきかもしれません。


Tim Dapper



Sabin+Jones Labstudio


「自然の形を人間の作るものに取り入れる」方法は、ほかにもたくさんあると思います。人間が自然に抱いてきたイメージをうまく利用すること。素材の生の形をそのまま残すこと。


写真集「香合」より


徳川美術館根津美術館編「名物茶器」より


今回制作するものは、植物からインスピレーションを得て造形しようと思っていますが、「植物の形を模写する」つもりはあまりありません。なんとなく、「植物ぽい」ものにしたい。それがどんなものかは、まだわかりません。