ふしぎデザインブログ

デザイン事務所「ふしぎデザイン」の仕事や考え、メイキングなどを掲載するブログです。

植物に潜むモダンとポストモダン

植物の目的は、乱暴にまとめると「光を浴び、水を吸って生長すること」だと思います。
そのため、葉や茎、根は「光を効率よく浴びる」「水を効率よく吸い取る」という目的のための極めて合理的なかたちをしています。


茎、幹、葉には軸があり、方向性がある。また、軸に対して対称なかたちをしているものが多い。
根は血管のように太い部分と繊細な部分を持ち、土中には茎や枝と同じぐらいの体積を張り巡らせている。
それらは、太陽に近づくための強度を持った構造体をつくることと、太陽の光をよく吸収することの二つの目的を、高いレベルで両立するためのかたちなのだと思います。
そのため、葉や茎の形は、植物の系統ごとに分けられる。モダニストが好きそうな形ですね。


Kenji Ito

Ernst Haeckel


翻ってみると、花のかたちはなんとも奇妙です。
花の目的は「受粉」という単純なものですが、それを達成する方法がたくさん考えられるため、花はさまざまな方法に合わせて形を多様化させていきました。
おしべ、めしべという要件は満たすものの、それ以外の形は種によってさまざま。
色を工夫したり、派手な形をつくってみたり・・・
(ヒトが形を操作したものもありますが)花の世界では、一見非合理的とも見える、まさに百花繚乱のフォルムが咲き乱れています。
こちらはどちらかというと、ポストモダンな形でしょうか。

Ernst Haeckel

Art Hansen

一輪の花の中に、合理性と多様性が美しく共存しているのは、考えてみるとすごいことなのかも知れません。
それにしても、自然はよくもこれだけの形を作り出したものですね。