工業デザインの練習帳

1988年生まれの工業デザイナー秋山慶太のブログです。

演奏/再生


学生の頃、というか大学の卒業制作で電子楽器を作った。
体感的な操作で演奏する、デジタルかつ原始的なフィーリングの楽器というコンセプトで、廃材やらベニヤやらを材料に沢山楽器を作ったのだった。とにかく毎日手を動かしてなんだかよくわからないものを作っているうちにまる一年過ぎてしまったが、とても楽しかったことを覚えている。(この作品については、以前このポストで少し触れた)




そのときに作っていたものの一つに、半分自動で演奏してくれるギターというものがあった。弦をたたくばちがいくつもあり、それぞれに固有のリズムパターンがプログラムされているので、ばちごとの電源をON/OFFするだけでリズムと音のパターンが広がり、なんとなく演奏しているような気になる。





次回の電化美術では、この作品をリミックスしてみようと思っている。
具体的には、電気仕掛けのばちをそれぞれ独立させてなんでもたたけるようにする。うまく準備すれば、水の入ったコップなんかをずらっと並べて、卓上オーケストラができるはず。





この作品でやりたいことは、「演奏」と「再生」の境目を探ること。
楽器を演奏すること、特に誰かとセッションをすることはものすごく楽しい。うまく呼吸が合えば、みんなで会話をするようにどんどん演奏が広がり、本当に無限の組み合わせの音楽が紡ぎだされる。この体験は、鳥肌ものの興奮だと思う。
しかし、他人と合わせて楽しむためには、けっこう練習をしないといけない(もちろん、練習してちょっとずつ上達するのも楽しいんだけど)。楽器を始めたはいいが、合わせることの楽しさを経験する前にやめちゃった人も多いんじゃないだろうか。

一方で、音楽を再生するのは簡単だ。みんなのポケットに入っている小さい機械のボタン(あるいはタッチスクリーン)をちょっと操作すればいいだけだ。いつでも誰かが作った高品質の音楽を楽しむことができる。だけど、あまりに手軽すぎて、「音楽的体験」の強さが損なわれていることも、場合によってはあるだろう。

この二つを橋渡しすることによって、「音楽を聴くように手軽に」「演奏する/セッションする喜び」のさわりを体験できるようになればベストだと思う。

これから、具体的な制作日記も順次アップする予定。乞うご期待!