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工業デザインの練習帳

1988年生まれの工業デザイナー秋山慶太のブログです。

秋の多治見旅行記

遠くに行った


昨日から今日にかけて、陶器の町、多治見に遊びにいってきた。たつまくんという友だちが作陶の勉強をしているので、仕事場を見せてもらい泊めてもらおうという魂胆で出かけていったのだが、ものすごく良い場所だった。







元々は作家の住居だったという、陶芸学校の生徒が代々住みついでいるシェアハウスには、本格的に作業ができる工房までくっついている。共同の居間の随所に作品が飾ってあったり、普段使いの器も学生やOBが作ったものだったり。贅沢な暮らしをしているなあと思う。
たつまくんは陶器の勉強を始めてまだ半年だというが、見せてもらった作品(下の写真)はどれもよかった。スマートな形もそうだけれど、うわぐすりのかけ方に興味の中心があるのではないかと感じた。






土をこねて作った器に釉をかけて焼くと、お互いが反応し溶け合い、結合して一つの肌を作る。その不思議なプロセスを繰り返し実験して、美しい表情を探っていく。釉薬の配合や窯の温度など、様々な要素でゆれる肌目を操る作業は、楽しそうだがとても大変なんだろうなと想像できる。壁にかけられたたくさんのサンプルを見て、この人はやっぱり研究者肌なんだなーと思った。
器には土ともガラスともつかない表情があった。作品のとなりに綺麗な緑の石のサンプルが添えてあり、それも想像力をかきたてる。まるで器というメディアを介して、あたらしい鉱物を作り出そうとしているようだった。

もともと彼は大学で先進的なエンジニアリング(でいいのかな)を専攻していたが、リアルなものづくりの感覚を得るために陶芸を志したという。今までプログラムを書いたり電子回路を設計してものを作っていた人が、いきなり陶芸を始めるというとかなり方向転換したようだが、不思議とその話を聞いたときに違和感は感じなかった。最初から、大きな意味での「自然」に興味があるようだったから。

それにしても、各地にものづくりをしている友だちがいるというのはいいものだ。旅行もできるし、話もできる。宿代もかからないし。教えてもらったお寺、ギャラリーもよかったし、久しぶりにいい空気も吸えた。短い旅行だったけどとても楽しかったです。

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おまけ
夜にカメラを落っことしてふたが開いてしまい青くなった(僕が)のだが、現像してみたら最後の4枚だけにしか影響してなくてほっとした。光に触れたものもなんだかサイケな感じになってて面白かった。